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華の王妃
第7章 王
リンダリアとの久しぶりの閨は王を大いに満足させたらしい。
いつにも増して夥しいほどの贈り物が離宮に届けられた。


「今宵も王がお渡りになるそうにございますよ。」


いつもよりも長い湯あみを終えたリンダリアは女官の言葉に大きなため息を吐く。
あからさまに不平不満が言えないのはすべての女官達がリンダリアの本当の
味方ではないからだが、さすがに文句の一つも言いたくなる。


手荒な抱き方こそしなかったものの、夕べの王は何度もリンダリアを求めた。
息が詰まるほどの濃厚な愛撫と交わりはリンダリアの思考を真っ白にさせ
何も考えられなくしてしまう。


あんなのは獣の交わりだわ。


コーラスとの交わりとは違う。
同じ行為とは言え、そこには愛があった。
コーラスは絶えず愛の言葉を囁き閨に物慣れないリンダリアを終始気遣ってくれた。
単調で緩やかな動きにリンダリアは漂っていればよかったのだ。


それなのにあの王との行為はこうして終わった後も余韻が残り、思い出した
だけで身体の奥底に熱が籠るのだ。


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