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華の王妃
第7章 王
悍ましい。
私まで獣のようになってしまう。
こんな時にユリウスがいたら。
夕べの閨の宿直には女官がいた。
リンダリアは宿直に女官がいるのを好まない。
それはリンダリアの味方ではないと言うのもあるが、本心は王との行為を
見られたくないと言うのもある。
正確には見られているわけではないが、扉の向こうでリンダリアの声や
交わりでの様子を聞かれたくなかった。
他国の王妃だった女が王に屈服させられ抱かれる様を同じ女である女官に
知られたくなかったのだ。
幸いリンダリアの願いはユリウスを介して聞き届けられ何か言いたげな女官長も
黙って引き下がってくれた。
ユリウスが宦官だったというのもあるが、未だ女官達に心を許さない
リンダリアにこれ以上心を閉ざされない為に女官長が譲歩したのだとは
リンダリアは知らなかった。