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華の王妃
第8章 女官長
一瞬、濃厚な香りにむせそうになった。
それは女官長が良く知る王妃の合わせる香だった。
ピュアンカと呼ばれる桃色の花の蜜から作られた香は王が王妃の為に
選び作らせた世界に一つしかない香だ。
夏に大ぶりの甘い果実を実らせるピュアンカは花自体は小さく切り花にすると
すぐに萎んでしまう為果実の為だけに栽培されることが多い。
果実も少し触れるだけで痛みやすく栽培に手間がかかる為、大変高価な果実と
されていた。
王自身このピュアンカを好みよく食している。
閨でも夜食に出すことも多いがまさかピュアンカを香にするとは思っても
見なかった。
それも甘くて、嫌味のない爽やかな香りの仕上がりは王妃に良く合っている。
後宮の女達もこのピュアンカの香を欲しがったが王は王妃しか使用することを
許さずピュアンカの香は王妃の香と呼ばれた。
だが甘く爽やかな香りは何かが混じり合ったような濃厚な香りになっている。
まるで獣の匂いが混じったような、いや、もっと淫らな。
ピチャ、ピチャ、
それにこの音は・・・
「んっ・・甘いぞ。そなたのここは惚けて甘い味がするわ。」
「ん・・はぁ・・いゃぁ・・そこは・・ 」
「ここが感じやすいであろう・・俺が舐める度に可愛らしく反応して・・少し
大きくなっておるではないか・・?」
まさしくまぐ合っている最中だった。