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サイレントエモーショナルサマー
第9章 その薔薇の色は、
◇◆
「……あれから3日しか経ってませんよね」
「そ、そうですね…」
「いつですか?土曜?日曜?それとも今朝ですか?」
「あー…えっと、土曜?」
「土曜は女友達と会うって言ってましたよね」
「な、なりゆきで…」
「ん?じゃあその女性のお友達がこんなに情熱的な痕つけてくれたってことですか」
「…そういうことにしようか」
「誤魔化されませんよ」
定時で上がることが出来たから時間に余裕があると上機嫌だったのに今の藤くんの笑顔は綺麗なのになんだか怖い。
先にシャワーを浴びようと言う藤くんが先にシャワーを浴びて戻ってくるまでは良かったのだ。一向に服を脱ごうとしない私を不審がった彼があっという間に服をひん剥いてから事態は一変したのである。
「早すぎますよ。そんなに俺の家で監禁されたいんですか」
下着姿で正座している姿はさぞかし間抜けだろう。しゅんと小さくなる私の前に胡坐をかく藤くんは上半身裸なのに間抜けさがないのが羨ましい。
「…怒った?」
「怒ってるように見えます?呆れてるんです」
「でも、藤くんのモノの方が立派だよ。君のには誰も敵わない」
バカな人、と溜息を吐いてひょいと私の身体を抱き上げる。藤くんの足の上で横向きに納まってとりあえずは大人しくする。
「志保さんが俺となら毎日じゃなくてもいいって言うから安心してた俺もバカでしたよ」
隼人の付けた痕を親指で押して吐き捨てるように言う。えへへ、とおちゃらけると私を見下ろす顔が険しくなった。
「この痕、付けた男とはどんなセックスしたんですか」
「聞きたい?」
「……聞きたくないですよ」
「じゃあなんで聞いたの」
「同じことして俺の方がいいって思って貰おうかと」
「藤くんに隼人と同じ真似は出来ないと思うよ」
「…隼人?」
やべ、と思った。流れるように名前を口にしてしまったのは間違いだった。ただでさえ険しかった顔が更に険しくなる。
「あ、えっと、しゃ、シャワー借りたいかな」