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サイレントエモーショナルサマー
第14章 fantasma
「んん…っ…おく…、おくまで…っ」
「奥まで欲しいのか」
「うん…っ…」
「へえ、そうか」
「…ひぁ…っ…あっ…」

ちゃぷん、ちゃぷんと膝のあたりにまとわりつくお湯と反響する声。慣れない感覚が身体中にまとわりつく。中々奥まで挿れてくれない晶に焦れて尻を押し付けるようにすると一瞬は奥まで刺さるのに、彼はすぐ腰を引いて挿入を浅くしてしまう。

「やだ…っ…あ、…っ…」

壁についた手がずるりと滑る。晶はその手を掴みながら私の上半身を抱き締めるが、器用にも浅い挿入を保つ。

「あ…ッ、ん…っ…」

クリトリスを抓られれば当然身体はぴくんと跳ねる。

「あっ…、」

頭がぼんやりしてくると晶のモノが抜けた。喪失感とともにずるずると湯の中に戻れば二の腕を掴まれ引きずり上げられる。

「なんつー顔してんだよ」
「んんぅ…、」

背中を壁に押し付けられ、唇を塞がれる。口の中に入ってくる舌が上顎を刺激すると閉じた瞼の裏に藤くんの顔が浮かんだ。

「はぁ…っ…ね、もう…」

キスから逃れ、晶の頬に手を添わせた。じっと見つめて抜けたモノを指で撫で上げる。
逆上せも相まって頭がくらくらする。私を見つめる瞳はあの頃と同じ色。

「お前、いつからおねだりするようになった訳?」
「あっ…」

挿れはせず、向き合って大きく反り返ったモノを擦りつけてくる。なあ、と溜息を吐くように言って、頬に触れる手が熱い。

「泣いてるお前の方が興奮すんだけど」
「…ん、…っ」

それはもう、無理だ。私はもうセックスが気持ち良いものだと知ってしまったし、憎んでいた亡霊の晶はもう、ただの生身の人間になった。

硬いモノの先端がクリトリスを強く押した。いっそこのまま自分で挿れてやろうかと晶のモノに手を伸ばすと彼はふんと鼻を鳴らして浴槽から出ていく。

「…晶?」
「来いよ。泣かせてやる」

身体を拭く時間すらも惜しいのか浴室を出るとなにかを掴んでからびしょ濡れのままベッドへと向かっていく。視線で促され、ベッドの上で胡坐をかく晶の前に座り込む。
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