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サイレントエモーショナルサマー
第15章 glicine
◇◆
藤くんが考えていることは基本的によく分からない。だが、そんなよく分からない彼が私の発言で顔を赤くする様は結構気分が良い。そう思って上手いことを言おうとすると失敗に終わる。意図しない方が上手くいくらしい。現に、藤くんのしたいようにしよ、と言ってみたら彼は顔を赤らめるのではなくにんまりと悪魔の顔になった。
「…これ、…はずかし…っ」
「セックス大好きなのにこういうのしたことないんですか?」
「な、ないよ…」
彼曰く、少し幼くなるというすっぴんになってからがいいと言われ、ソファーで簡単に食事を取ってからシャワーを浴びて化粧を落とした。もう何度も見られている訳でその点に関しては全くもって恥ずかしくなどない。
ベッドに移動することになるだろうと、裸でベッドに横になり藤くんが出てくるのを待っていたのだが、彼は出てくるや否やソファーに座って、おいで、と小さく言った。
「志保さん、手、小さいんですね。ちっちゃくて俺のが大きく見えます」
「ん…っ…て、かんけいない…っ」
「ちょっと、お留守になってますよ。ちゃんとやってください」
「だって…っ…ふじく、が…っ」
何故、こうなった。全身が熱くてたまらない。涙ぐんで藤くんに助けを求めるが、微笑んだ彼は私に毒を与えるだけだ。舌を絡ませ合いながら、吐息を分け合う。うっとりと手の力が抜けそうになると唇はそれを咎めるように離れていく。
「藤くん…きもち、…あっ…」
「ここ、こするときゅってしますね。かわいい」
ソファーに並んで座って、お互いの手でそれぞれの性器を愛撫し合うことになるとはこれっぽっちも想像できなかった。手の側面に触れる短い陰毛のちくちくした感じがこそばゆい。相も変わらず余裕な顔の藤くんは長い指でイイところを擦り上げる。