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サイレントエモーショナルサマー
第16章 falco pellegrino
「しーちゃん、イキそう?中ぴくぴくしてきた」
「うるさい…っ…」
「一回イったらさ、かけていい?」
「いやだ…!あん…っ…あぁ…っ」

ナカを引っ掻かれ、びくん、と身体が跳ねる。息苦しさと、大腿の痺れが徐々に思考回路を奪っていく。

「はぁ…っ…あっ…はっ…」

暴れるだけの力は最早残っていなかった。声を出すのもめんどくさい。だが、逃げなければ確実に顔にぶっかけられる上に、恋をしようだのと言われることになる。暴れ疲れた私に安堵して隼人が上から降りた隙に再度逃走を図る。

「逃がさないって。ここ、俺んち。今、俺のベッドの上。な、俺の家に何があるか忘れた?」

しまった。こいつは拘束好きだった。いとも簡単に仰向けにされると、どぎつい色の拘束テープを持った隼人の顔が見える。

「あんた、好きな女縛るわけ?」
「しーちゃん限定ってことで。今日は俺、顔にかけさせてくんないと満足できない」
「さっき背中で良いって!」
「気が変わった」
「早すぎ!」

なんてこった。最後の力を振り絞って手足を暴れさせても、隼人は意に介さずさっさと私の手を纏め上げる。身体の前で蛍光ピンクのテープによって肘から指先までをぐるりと覆われる。テープ同士がくっつく仕様らしく肌に貼りつく感じはないのに腕を離そうとしても微塵も動かない。

「しーちゃんの白い肌とこのピンクのテープの組み合わせいいわ」
「そんなん知るか!取ってよ!」
「あんまりうるせえと今すぐかけちゃうよ。さっきから一応我慢してんだよね」

そのまま我慢して服を着て寝てしまえ。腕の自由は奪われたものの足はまだ動かすことが出来る。無我夢中でばたばたと足を動かし隼人の身体を蹴るが、それすらも興奮すると言いたげに内腿を掴まれ、足を開かされた。
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