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サイレントエモーショナルサマー
第17章 ricordo
「都筑、」
「…へ?」
「すげー顔してんぞ」
「ごめん。飛んでた?」
「かなり」
「はは、ごめん。ちょっと暑さにやられたかな」
「飯食ったし、移動するか。あ、お前なんとかって店のアイス食べたいって言ってたろ」
「アイスじゃなくてジェラートだよ」
「どっちも一緒だろ。行くぞ」

店の名前は覚えていなくとも場所は知っていたようで、浩志とジェラートを食べて街中をふらふらと歩きながら、最近部長のハゲが進行しているんじゃないかとか、若手の山田さんのケアレスミスが酷すぎるとかそんなような話をした。

「あ、ね。ちょっとそこのケーキ屋さん寄ってもいい?」
「おう」

辺りが薄らと暗くなり始め、そろそろ解散しようかという頃になって数歩先のケーキ屋を指さしながら言う。なんとなく、藤くんにお土産を買っていきたくなったからだ。だが、入ったは良いものの悲しくなるほどに藤くんがどんなものを好むのか、そもそもケーキを食べるのかが分からない。

― これか?これが本質的に他人に興味ないってこと?

チカはモンブランが好きだ。あと、ココナッツ系の不思議な味のものを好む。浩志はアイスはよく食べるが、ケーキは余程疲れている時しか食べない。そういうときは大抵ほろ苦いチョコレートのものを選ぶ。

「…やっぱりケーキ辞めようかな」
「自分の好きなもん買ってけばいいんじゃねえの。お前、チーズケーキ好きだろ」
「チーズケーキには思い出が詰まってるからね。なんか食べるとほっとするんだ。よし、チーズケーキにしよう」

ベイクドチーズケーキを2ピース購入し、浩志とは駅前で別れた。藤くんに連絡を入れると外出から戻り、今自宅最寄り駅に着いたところだと言う。見かけたことは言わず、20分くらいで着くよ、と告げ電車に乗った。
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