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サイレントエモーショナルサマー
第17章 ricordo
「もうちょっとしたら散歩でも行きましょう」
「散歩?」
「天気、いいみたいだし。近くに美味しいパン屋があるんです」
「でも、昨日買って来たお惣菜もケーキもあるよ」
「パンのおかずにしましょ。ということで志保さんはあと30分は大人しくしててください」

言うが早いか藤くんが静かな寝息を立てはじめた。寝ている時まで美しいとは恐れ入る。つんつん、と頬をつついてみても無反応なので言われた通り大人しく手を引っ込め、目を伏せた。

次に目覚めた時には30分以上は優に経過していた。コーヒーの香りに気がつき、薄らと目を開くと藤くんはベッドの縁に腰かけて私の髪に触れていた。Tシャツは着ているが、下半身はボクサーのみだ。

「………やっぱり藤くん、私より先に起きる」
「志保さんの寝顔が見たいんです」
「見ないでよ…もう、昨日結局化粧落とさなかったからどろどろ」
「どろどろでもすっぴんでも志保さんは可愛いですよ」
「あのね、嬉しいは嬉しいけどそんなに可愛いって言うの藤くんだけだよ」

起き上がろうとすると藤くんが支えてくれる。そのままぎゅっと抱き締められ、後頭部を撫でられる。私が寝ている間にシャワーを浴びたようでボディーソープの優しい香りがふわりと漂う。

「シャワー、浴びます?」
「うん…その前にお水飲みたい」
「持ってきますね」

グラス一杯の水を飲んでからシャワーを浴びた。どろどろの化粧を完全に落とし、歯も磨く。髪も洗ってから浴室を出て、居室に戻ればドライヤーを手に藤くんがスタンバイしている。藤くんの前に体育座りになって髪を委ねる。ブラシで梳きながらゆっくりと乾かしていってくれる手の感触は再び眠ってしまいそうになるほど気持ちが良い。

「はい、出来ました」
「ありがと。ちょっと軽く化粧するから待って」
「化粧はいいですよ、そのまま行きましょ」
「えっ…さすがに厳しいよ」
「平気ですって。すっぴんの志保さんはちょっと幼くなってあの頃みたいなんでそっちの方が好きです」
「あの頃って?藤くんのこと私が助けたって言ってた頃のこと?」
「そうですよ。でも、詳しくはまだ秘密です」
「ケチ。教えてよ」
「あー腹減った。はやくパン屋いきましょ、ね、」
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