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サイレントエモーショナルサマー
第18章 ferita
このままだと晶は間違いなく、私と彼がほぼ2年間セックスばかりしいていたあの生活のことをぺろっと言ってしまうに違いない。なんとか晶を黙らせなければ。三井さんを傷つけてしまうことになった理由の一つが彼の現在の釣り仲間だとは知らせたくない。
「晶くん、ちょっと顔貸して」
「んだよ。晶くんとか気持ちわりーな」
「……いいから面貸せっつってんだよ」
ここ数日は心穏やかに過ごしてきた私も我慢と冷や汗の限界だ。だん!と音を立てて掘りごたつの天板を叩くなり晶の腕を掴む。
「三井さん、すみません…ちょっと外します。あ、どうぞ、存分に飲んでてください」
「えーと、寧ろ僕が外しましょうか」
「いやいや、お気になさらず」
いいからこいよ、と晶を促す。抓った時以上の私の殺気をしっかり感じたのか晶は目を泳がせながらもついてくる。その姿を見ながら、何故、私は晶をあれほどまで恐れていたのかと馬鹿らしくなった。
居酒屋の外に連れ出し、そのままビルの裏手まで引きずった。フェンスに叩きつけるようにして手を離すと、流石に晶も、いてーよ、と口を尖らせる。
「あんたなに考えてんの!?」
「は?なにが?」
「なにが?じゃないわ。この6年影すらも見せなかったくせに突然現れたかと思ったら…あんたがなに知ってるのか知らないけど、一応私三井さんと付き合ってたの、でも、上手くいかなくて別れたの。そこには少なからず晶のことが関わってる。ね、今、友達なんでしょ、だったらさ、なにも言わないでよ」
「知ってるよ。お前と直希が付き合ってたってのもお前のくだらねえトラウマで上手くいかなかったことも」
「トラウマ本人がくだらないとかいう訳!?私さ、もう晶に夢見たくないし、恨んだりしたくもないの。立ち止まりたくないんだよ、前に進みたいの。だから私の前に現れて引っかきまわすの辞めてよ」
「晶くん、ちょっと顔貸して」
「んだよ。晶くんとか気持ちわりーな」
「……いいから面貸せっつってんだよ」
ここ数日は心穏やかに過ごしてきた私も我慢と冷や汗の限界だ。だん!と音を立てて掘りごたつの天板を叩くなり晶の腕を掴む。
「三井さん、すみません…ちょっと外します。あ、どうぞ、存分に飲んでてください」
「えーと、寧ろ僕が外しましょうか」
「いやいや、お気になさらず」
いいからこいよ、と晶を促す。抓った時以上の私の殺気をしっかり感じたのか晶は目を泳がせながらもついてくる。その姿を見ながら、何故、私は晶をあれほどまで恐れていたのかと馬鹿らしくなった。
居酒屋の外に連れ出し、そのままビルの裏手まで引きずった。フェンスに叩きつけるようにして手を離すと、流石に晶も、いてーよ、と口を尖らせる。
「あんたなに考えてんの!?」
「は?なにが?」
「なにが?じゃないわ。この6年影すらも見せなかったくせに突然現れたかと思ったら…あんたがなに知ってるのか知らないけど、一応私三井さんと付き合ってたの、でも、上手くいかなくて別れたの。そこには少なからず晶のことが関わってる。ね、今、友達なんでしょ、だったらさ、なにも言わないでよ」
「知ってるよ。お前と直希が付き合ってたってのもお前のくだらねえトラウマで上手くいかなかったことも」
「トラウマ本人がくだらないとかいう訳!?私さ、もう晶に夢見たくないし、恨んだりしたくもないの。立ち止まりたくないんだよ、前に進みたいの。だから私の前に現れて引っかきまわすの辞めてよ」