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サイレントエモーショナルサマー
第19章 Renatus
気持ちを落ち着かせようと煙草を咥えるとスマホの画面がさっと光った。藤くんからのメッセージだ。どうやら私の簡単な説明でマンションまで辿り着くことが出来たらしい。506号だよ、と返事を送り暫くするとインターフォンが鳴った。

「……は、入っても、良いですか」

なんと。藤くんが緊張している。ひょっとすると恭平くんから私がセックスをした人を自宅にはあげないという話でも聞いていたのか。

「ど、どうぞ」
「…お、お邪魔します」
「ごめん、あの、ちょっと考え事しちゃって…荷物纏まってないんだ。すぐ纏めるから適当に座ってて。あ、お、お茶淹れよっか、えっと…アイス、アイス食べる?」

緊張と欠伸は伝染する。藤くんの表情が普段と違うので私も自宅だと言うのに妙に緊張してしまう。リビングへと誘いながら手が汗で湿っていくような感じがする。

「志保さんの匂いがする」
「藤くんの部屋と違って煙草臭いよね、ごめんね」
「そんなことないですよ。綺麗にしてるんですね、それに俺の部屋よりずっと広い」
「立地と日当たりで選んだんだけど…無駄に広くて、」

言いかけて藤くんの視線に気づく。リビングダイニングからベッドルームへと続くパーテーションが開けっ放しだ。悪戯っ子の顔になった藤くん。うむ、これはなんだか嫌な予感がする。

「志保さん、俺、」
「ダメ。ダメだよ。すぐ荷物纏めるから藤くんのおうち行こう。ね、」
「まだなにも言ってないじゃないですか」
「さすがの私でも今藤くんがなに考えたか分かるよ」
「じゃあ、当ててみてください」
「言わんでも絶対当たってる」
「いいから、」

ソファーに座った藤くんに腕を引かれ倒れ込む。ぎゅっと私を抱き締めて昼間のように、すんすんと鼻を鳴らしながら、ね、志保さん、と甘い声。

「………うちでセックスしたいんでしょ」

大正解の言葉の代わりにキスの雨が降ってくる。咄嗟に彼の髪を柔く掴む。ちろちろと唇を刺激する舌先にぞくりとする。

「ちょ、藤くん、だめだめ、流される!」
「流されてくださいよ」
「あ、うち、ゴムないよ、ダメだよ」
「1個だけ持ってるんで」
「なんで今日に限って持ってんの!」
「今日に限ったことじゃないですよ」

慌てふためく私なぞなんのその。にやにや笑いの藤くんは私をソファーに押し倒すと首筋に口付けを落としていく。
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