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第19章 Renatus

こそばゆさに身を委ね、藤くんに抱き着く。すんすんと首筋に鼻先をうずめる彼はゆったりと背中を撫で上げ、熱っぽい息を吐く。尻へ移った手にくすぐられると思わず幼い少女のような声が漏れた。くすぐったいよ、と彼の耳に吹き込めば悪戯をしていた指先が柔らかい肉をきゅっと抓む。

飽きもせず、キスをしながら倒れ込む。藤くん越しに見える天井はすっかり見慣れた彼の部屋のものではない。それよりももっとずっと長いこと見てきた私の城のものであるのに、まるで初めて見る光景のようだ。

頬を撫でられ、見つめ合う。毛先を絡め取った指はするりと流れ、鎖骨へと触れた。志保さん、と私を呼んでから藤くんは乳房へ唇を寄せる。さっきは私を挑発した舌が乳首をつんと刺激した。

「ん…っ…」

転がされ、甘く噛まれる。大きな手は反対の乳房へと伸び、包み込むようにして体温を分けてくれる。音を立てて吸い付いて、また、華を咲かす。はぁ、と息を吐くと乳房に吸い付きながらふっと鼻で笑った。

柔い丘を降りた舌がねっとりと脇腹を這っていく。彼の手を求めて彷徨わせた私の手を空いた手で絡め取って、舐めていた脇腹を弱く噛む。

腰骨の辺りに舌先が触れたかと思うと乳房を揉んでいた手が股間へと移った。クリトリスがぴんと張りつめていることは自分でもよく分かる。

「あ…っ…ん、」

つん、と指先で弾かれると甘い電撃がつま先から駆けあがってくる。太腿の付け根を舐めながら藤くんの指はクリトリスを弾いて、強く押してと刺激をくれる。絡み合った指先に離れないでとばかりに力を込められた。

「んん…っ…」

クリトリスを抓った指は潤い始めた秘裂へと移る。そっと触れられただけでそこはくちゅりと音を立てる。潤いを確認するような往復のあと、長い指が一本、じわり、じわりと、中へ進む。思わずもう痛いくらいに力を込めた指先に更に力を込めた。

「あッ…ん、…んっ…」

焦らすのが好きな筈の指が最初からイイところを擦り上げていく。腰を逃がすように揺すれば、許さないよと言いたげに中へ入る指が増える。

「藤く…、きもち…んっ…」
「志保さん、目瞑ってくださいね」
「んっ…な、んで…っ」

いいから、とは言わず二本になった指先がスポットを引っ掻く。痺れる熱でうっとりと瞼を下ろせば、求めては来なかった感触がクリトリスに加わる。