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サイレントエモーショナルサマー
第20章 voce
晶といい、隼人といい、何故余計なことを言いたがるのだ。いや、適当に生きてきた私が悪いのか。藤くんが拳を握ったのが見える。隼人の名前を憶えていたようだが、彼の発言によって私と隼人が肉体関係にあることは完全に察したに違いない。

「ま、今日はここで退散すっけど、いつでも来ていいかんね。あ、デートしよっか。刺激的なやつ」

刺激的なデートってなんだ。隼人のことだから玩具を挿入して遠隔プレイ的なやつか。いやいや、興味を持ってどうする。早くどっか行って、とばかりに手で払うと投げキスをかまして往来の中へ消えていく。隼人の後姿が完全に見えなくなると藤くんはゆっくりとこちらを振り返った。

「……あいつ、前に痕つけたやつですよね」

ぎくり。憶えていたのか。はは、と乾いた声をあげて歩き出そうとすると藤くんに手を引かれた。

「つーか、しーちゃんってなんですか。しーちゃんって」
「いや…なんといいますか、それは彼が勝手に、ね」
「俺より親しげじゃないですか。しーちゃんとかかわいい呼び方されて俺より濃厚なことしてたってことですか」

藤くんは完全にジェラシーモードに入ったようだ。どうぞ好きにしてくれと余裕な構えを見せたもののやはり実際に関係を持った人が自分の前に現れたのは面白くないのだろう。その辺は感覚がぶっ壊れてしまった私にだって分かる。ひとつ訂正するとすれば隼人としていたセックスは私の中では決して濃厚なものではない。

「お、お隣さんだからさ…こう、ちょっと頻度がね…えへへ」
「は?あいつ隣に住んでるんですか?」

しまった。自ら余計なことを言ってしまった。やっと藤くんがまともに喋ってくれるようになったのに話題の中心が隼人なのはちょっと戴けない。

「隼人の話はもういいよ。ね、カツサンド買いに行こ」
「よくないですよ。てか、俺がこの2日どんな思いで我慢してたか分かってます?」

藤くんを促して歩き出そうとしていた足が再び止まる。我慢?藤くんが我慢していたと?
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