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サイレントエモーショナルサマー
第20章 voce
そこから2時間ばかり部長の独壇場が続き、彼は最終的に村澤さんを引きつれて意気揚々と会社を出て行った。素面の時に見る酔っ払いというのは実に面白い。彼らがどこかで粗相をしませんように、と思いながら後片付けの為に立ち上がる。浩志はいつの間に帰ったのか姿が見えなかった。

「藤くん、大丈夫?もうみんな帰ったよ」
「………俺はゴリラに潰されました」
「見てたよ。私、片付けるから藤くんもうちょっと大人しくしてな。あ、水。水を飲みなさい」

フロアの片隅で屍になっていた藤くんに声をかける。会話は成り立ちそうだが後片付けの手伝いは難しいだろう。水のペットボトルを渡し、片付けに取り掛かろうとすると腕を引かれ、そのまま硬い床に押し倒される。

「志保さん…また中原さんと…いちゃいちゃして…ました…ね」
「いやいや…してないって、ちょっと喋ってただけじゃない」

酔いが回って上手く力が入らないのか押し退けると藤くんはそのまま床に倒れた。焦って起き上がってから頬を軽く叩く。

「ごめん、大丈夫?頭打ってない?」
「だいじょうぶ…です、」
「うん、君、大丈夫じゃないね。立てる?応接のソファーまで行ける?」
「ここで、いいです…」
「……申し訳ないけど私には藤くんを運べないからここに放置するよ。水飲んで待ってて」
「…はい…すみません」

社員たちが見事に料理を平らげてくれたので片付けは比較的楽な部類だった。ちらちらと藤くんの方を振り返りながら大きいゴミ袋にどんどんゴミを放り込んでいく。起き上がったりまた倒れたり、水を飲んだりしているので藤くんはまあ大丈夫だろう。

ゴミを纏め、飲みかけの酒やジュースなどを給湯室の流しまでせっせと運ぶ。予算ギリギリまで買い込んだが殆ど残らなかったのが恐ろしい。
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