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サイレントエモーショナルサマー
第21章 futuro
「……Tバックの方がいい」
「じゃ、何枚か選びますね」
「えっ藤くんが選ぶの?」
「もちろん。でもって脱がすのも俺です」
「……時間考えて。昼間だし、店だし。見て、お店のお姉さんがこっち見てる」
「見させておけばいいんですよ」

派手なメイクで巻き髪がよく似合ったお姉さんがこちらを見る視線が突き刺さる。そんなものは意に介さず頬に口付けてきた藤くんは鼻歌を歌う勢いで何枚かTバックを選んでセットのブラジャーと共に迷いなくレジへ進んでいく。

「ちょ、藤くんいいよ、自分で出すから」
「出させてください」
「でも、ほら泊まらせてもらってるし、」
「じゃあ、次は志保さんが俺のパンツ選んで買ってください。それでおあいこってことで」
「額が違うでしょうに」
「俺が脱がせるものに俺がお金出さないなんて男の沽券に関わります」

ぎょっとして赤面したのは私だけではなかった。言い合いに戸惑っている風だったレジのお姉さんも顔が真っ赤である。なんだ、こいつ。なんで人前でこんなことを言うのだ。世の中のイケメンというやつはこういうことをしれっとする生き物なのか。

押し問答の末、結構な金額を藤くんが支払った。紙袋片手にご機嫌の藤くんと手を繋いで店を出るまで背に刺さる視線が痛くて堪らなかった。

「あ、ありがとう…」
「俺とする時しか着ちゃダメですよ」
「わ、分かってるし…てか、今の状態で他の人としないでしょ」
「ですよね。結果として志保さんを独占してる状況はかなり美味しいです」

それからはメンズの下着を取り扱う店に寄って、藤くんのパンツも選んだ。暗闇で光るというふざけた柄のを選んでも、藤くんは嫌な顔ひとつせず、志保さんが選んでくれたからとご満悦だ。

暫く、うろうろして寝間着用のTシャツやらなにやらを購入した頃には18時を過ぎていた。外に出てみるとまだ薄らと明るいが辺りの飲食店が混み始めているのが見て取れる。

「ご飯、食べて帰る?ごめんね、私が作れたらいいんだけど…頑張っても焦げの塊が…」
「俺も得意じゃないんでその辺は追々ということで。あ、そうだ、一緒に料理教室でも行きます?」
「………検討する」
「そうしてください。とりあえず、今日はどっかで食べて帰りましょう」

話し合った結果、クラブミュージックが程よくかかったカジュアルダイニングに入った。カウンター脇のボックス席に通される。
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