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サイレントエモーショナルサマー
第3章 檻のなかの土曜日
「それは無理」
「なんでですか」
呆れたような声で言いながら藤くんの手は胸へと伸びてくる。そうだ、昨日はあんまり触って貰えなかったなんて考えてしまう私はやっぱりどうしようもない女だ。
「恋は、必要ない」
「でも、好きな相手とのセックスの方が気持ち良いと思いません?」
Tシャツ越しに大きな手が胸を刺激する。そんなに優しいのはいらないの。もっと激しく、もっと強く。なんなら噛みついてくれた方がイイ。
「私は藤くんのこと好きじゃなくても昨日?今朝?は最高に気持ちよかったもん。藤くんも気持ちよかったでしょ」
「そりゃ俺は志保さんのこと好きですから」
「藤くんは好きな人としかセックスしないし私のこと好きなんでしょ。私がセックスしたければ私が藤くんのこと好きかどうかはどうでもよくない?」
乳を揉まれながらする会話とは到底思えない。
一線を越える前から私がセックス大好き女であることを知っていた藤くんは昨日の行為や、セフレという選択肢があると言ったことから、私が彼の身体を甚く気に入ったことには気付いていることだろう。
「なんでそんなにまともに恋愛したがらないんですか」
「藤くんには関係ない」