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サイレントエモーショナルサマー
第3章 檻のなかの土曜日
ぷいと顔を背けてソファーから立ち上がろうとすると腕を引かれ、彼の両足の間へとおさまった。後ろから抱きすくめられ、耳元で志保さんと呼びかけられるとだらしない下半身が疼く。
Tシャツを捲りあげ、素肌の上を彼の指が踊る。へそを撫で、腹の僅かな肉を抓む指が憎らしい。
布越しのじれったい愛撫だった胸への刺激はようやく熱をくれる。なんて熱い手なのだろう。溶けてしまいそう。両手が優しくそれぞれの乳房を揉んでいたかと思えば鷲掴みにされる。その度に、あ、あ、と情けなく喘ぐと耳の裏にちゅっと口付けてくるのがいじらしい。
「見て、志保さん」
ここ、と彼の指が差したのは彼のボクサーを纏った下半身。薄いグレーの布はたったこれだけの愛撫で染みを作っていた。くそ。やっぱり変態だ。こうなると分かっていてこの色の下着を私に穿かせたのだろう。
「もう欲しいって涎垂らしてますよ」
「バカ!変態!」
「ね、なんで恋したがらないのか話してくれたらまたココ、いっぱいにしてあげますよ」
尻に押し付けられるモノの硬さに胸が高鳴る。これが入ってきたらどれだけ気持ちが良いのか身体は既に覚えてしまった。欲しい。欲しくて堪らない。
「藤くん…、気持ち良くして…」
「話してくれなきゃダメです」
「やだ」
「昨日はお願い聞いてくれなくてもたくさんイかせてあげたでしょ。今日の俺は譲歩しません」
確かに昨晩はとりあえず言っておこうかという空気があった。私が応じるかどうかは重要ではなかったように思う。それが今、こうして強気に出る為の策だったかと思うと恐ろしい。