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サイレントエモーショナルサマー
第23章 vacanza
頭がくらくらしてくると唇が解放された。荒く息を吸い込んで、奥歯を噛み締める。どうせ隼人はそう長く持たない。早く、早く、終われ。

「志保、出る…っ…」
「しーちゃん、俺も、」

熱い白濁が乳房にかかった。それからすぐに膣の中でもゴム越しに熱が広がる。ぐったりと力の抜けた私の身体を撫でながら、隼人がモノを引き抜いていく。

「おい、なんか縛るもんねえのか」
「いや、もう必要ないっしょ」
「こいつ正気に戻ったらなにするかわかんねえし」
「ああ、まあ、確かに」

まだ身体が熱いのに、ふたりは満足したらしい。一度も絶頂を迎えられなかった身体から疼きが消えていかない。起き上がろうにも身体に上手く力が入らなかった。

今、何時だろう。あの変な薬の効き目はあとどれくらいだろう。

深呼吸を繰り返し、うつろう視線を室内に巡らせる。時計を探していた視線が捉えたのはにやりと笑った晶の顔だった。

「まだ足りねえって顔してんな。お前イってないのか」
「…もう…いい…」
「わりーな、俺もう無理だわ。知らねえ奴いると案外勃たねえ」
「…知らないし…もう…消えて」
「チンコ事情って繊細だよなー、俺もあんま持たなかったし」

がちゃがちゃと物音がした後、晶の手によって仰向けの身体が反転させられた。脱力した腕で晶を押し退けようとしても簡単に纏め上げられてしまう。

「あっ…っ…!」

疼きの治まらない膣に熱を持たないものが挿し込まれた。ウィン、と鈍い音を立ててうねり出す。

「あっ…あっ…これ…っ…」
「ショックだわー俺らのよりバイブの方が感じてんじゃん」
「とって…っ…ぬいて…っ…」
「イケねえと苦しいだろ。玩具にたくさんイかせてもらえよ」
「やだっ…もういいっ…もう、いいから…っ…!」
「でもさ、全然抜けてこねえんだけど。ぎゅうぎゅう締め付けてちょう気持ち良さそう」
「あっ…うごかさな…でっ…んんっ…あっ…だめっ…イク…ッ」

ズポズポとバイブを抜き差ししているのが晶なのか隼人なのか分からなかった。ただ、確かなのはふたりのモノを挿入されても不快感の方が勝っていたのに、無機質な玩具での凌辱は私を絶頂へと導いているということだ。

やっとイける。そしたらきっとふたりも私を解放してくれる。もうちょっと、もう少し。視界の端から見えているものが白く染まり始めたのを感じると、するりとバイブが抜き取られた。
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