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サイレントエモーショナルサマー
第23章 vacanza
「へっ…な、…で、」
「こんな酷いことしてあれだけどさ、やっぱ俺しーちゃんが欲しい」
「この状況でなんでお前がこいつ口説いてんだよ。言っただろ、こいつは俺のもんだ」
「ね、しーちゃん、俺のことちゃんと考えてよ。とりあえずさっきも言ったけど1回デートしよ」
「させねえよ。志保、お前俺のこと好きだよな」

そんなの今はどうだっていい。とにかく早くイカせてくれないと苦しくて仕方がない。

涙がぼろぼろと溢れている。下唇を噛み締めてふたりの顔を見上げると左右から伸びてきた手が馬鹿みたいに優しく髪を撫でる。

「わかった…かんがえる…かんがえるから…っ…ね、も…イカせて…っ…」
「バイブでごめんね。次は俺のでたくさんイかせてあげるから」
「黙れまじで。それすんの俺だから」
「あぅ…っ…あっあっ…あぁッ…イクっ…いっちゃ…っ…」

どちらかの手で尻を押さえつけられながら、スポットをバイブの先端に擦られ、私はやっと達した。

はぁはぁ、と荒い息を吐いて芋虫のようにベッドを這おうとすると、びりっと何かを切るような音がする。なんだ、と思ったと同時に内腿にどちらかの手が触れる。

「な、なに…?」
「お前がバイブでイったのがすげー悔しい」
「は…?」
「もう少し、これで遊んでな」
「ちょ…っ…なに考えて…!」
「俺のもんになるっつーなら抜いてやる」
「くたばれ…!ああっ…んっ…」

どうやら変な薬の効果は切れてきたらしい。クリアになった頭の中に晶と隼人を罵る言葉が次々と浮かんでくる。

四肢は力を取り戻すが拘束用のテープで後ろ手に纏め上げられた腕は全く動かない。晶は彼を蹴り飛ばそうとする私の足を力づくで抑え込んで膣に突き刺さったバイブが抜け落ちないように拘束していく。

「ほら、言ってみ。晶のことが好きって」
「絶対言わない!」
「じゃあ、しーちゃん、俺のことは?」
「こんなことして私があんたたちのこと好きになる訳ないでしょーが!早く取ってよ!」

好きだのなんだのよく分からない私でもこんな真似をされてこいつらを好きにならないことだけは断言できる。

未だ膣の中で動き続けるバイブによる刺激も頭に血が上った私には対して効果がない。
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