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サイレントエモーショナルサマー
第23章 vacanza
恥ずかしいことは恥ずかしい。だが、ここで浩志に去られてしまっては次にいつ助けが来るか分からない。
半泣きになって、ごめん、お願い、と言うと浩志は意を決したような息をついて顔を俯かせたままベッドへと近付いてくる。
ぎしり。ベッドが軋んだ。何気なく私に触れることの多かった手が恐々と探るように伸びてくる。
「んあっ…あっ、ちょ、そっちじゃ…腕、腕とってくれたら自分で…っ」
浩志の手は腕の拘束ではなく、大腿に触れた。ぞくぞくと身体を這う甘い痺れ。浩志の呼吸が荒くなっている。震える彼の手はそっと動き、バイブを固定するテープを外していく。
「ちょっと…ひろ…っ…だめ…っ」
いやに時間をかけてテープを外すとそのままゆっくりとバイブを引き抜く。抜ける瞬間ぬぽっと卑猥な音がして、ただでさえ赤くなっていた浩志の頬は更に紅潮した。
「……悪い」
小さく言うと今度はさっさと腕の拘束を解いてくれる。指先がぴりりと痺れていた。手と手を擦り合わせながらもぞもぞと動き、ベッドに正座をする。
「……ごめん…変な姿をお見せしまして」
「いいから服着ろ。風邪引くぞ」
「……はい」
顔を逸らす浩志を尻目にベッドから降り、汚れた身体を拭いてから服を着る。浩志は気まずそうにベッドに腰掛けたままだ。
「こ、コーヒー淹れようか。あ、USB、探すね…」
「お前、いつからだ」
「え?」
「いつから藤と、」
「…なんで私と藤くんがどうにかなってるって、」
「暑気払いの時…みんなが帰ったあとお前ら給湯室で喋ってただろ…あの時、お前、藤にベッドがどうとか早く帰ろうとかって…」
目を瞠った。あの時の物音は気のせいなどではなく、浩志の足音だったのか。そうか。だからか。だから週明けから浩志の様子がおかしかったのだ。
半泣きになって、ごめん、お願い、と言うと浩志は意を決したような息をついて顔を俯かせたままベッドへと近付いてくる。
ぎしり。ベッドが軋んだ。何気なく私に触れることの多かった手が恐々と探るように伸びてくる。
「んあっ…あっ、ちょ、そっちじゃ…腕、腕とってくれたら自分で…っ」
浩志の手は腕の拘束ではなく、大腿に触れた。ぞくぞくと身体を這う甘い痺れ。浩志の呼吸が荒くなっている。震える彼の手はそっと動き、バイブを固定するテープを外していく。
「ちょっと…ひろ…っ…だめ…っ」
いやに時間をかけてテープを外すとそのままゆっくりとバイブを引き抜く。抜ける瞬間ぬぽっと卑猥な音がして、ただでさえ赤くなっていた浩志の頬は更に紅潮した。
「……悪い」
小さく言うと今度はさっさと腕の拘束を解いてくれる。指先がぴりりと痺れていた。手と手を擦り合わせながらもぞもぞと動き、ベッドに正座をする。
「……ごめん…変な姿をお見せしまして」
「いいから服着ろ。風邪引くぞ」
「……はい」
顔を逸らす浩志を尻目にベッドから降り、汚れた身体を拭いてから服を着る。浩志は気まずそうにベッドに腰掛けたままだ。
「こ、コーヒー淹れようか。あ、USB、探すね…」
「お前、いつからだ」
「え?」
「いつから藤と、」
「…なんで私と藤くんがどうにかなってるって、」
「暑気払いの時…みんなが帰ったあとお前ら給湯室で喋ってただろ…あの時、お前、藤にベッドがどうとか早く帰ろうとかって…」
目を瞠った。あの時の物音は気のせいなどではなく、浩志の足音だったのか。そうか。だからか。だから週明けから浩志の様子がおかしかったのだ。