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サイレントエモーショナルサマー
第3章 檻のなかの土曜日

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「志保さん、俺もう…、」

苦しげに藤くんが言うまでに私は何度もイった。もう充分。だってラストスパートでもう2回はイけると思う。

「う、ん……いいっ…いいよ…」

挿入されたまま足を掴まれ、あっという間に仰向けにされる。大股を開いて息を乱し、膣は相変わらずぐちゃぐちゃだ。胸に噛みついてから私の身体に覆い被さって力一杯抱き締める。

「んっ……!」

激しく出し入れされた瞬間また身体が大きく仰け反る。抜けていく喪失感と奥まで挿し込まれる圧迫感。短いスパンで繰り返され命じられた訳でもないのに必死に、きもちいい、と繰り返す。

「あっ…あぁっ…!藤くん、…藤くん…っ」

脈打つ熱を感じる。深く、息を吐き出して藤くんが身体を起こす。汗ばんで顔に張り付く私の髪をはがして額にキス。

「あ…、」
「まだ、そんな顔するんですか」

モノを抜く瞬間もぴりりと刺激が走って声を出すと、欲しがり、と頬にちゅっと口づける。通算5回戦目を終えて流石にお疲れなのかそのまま隣にぼすんと沈む。

「来て、志保さん」

緩慢に広げられた腕の中に擦り寄る。仕立ての良いシャツが頬を擽った。いい匂いだ。柔軟剤の香りなのだろうか。

「…今さらですけど志保さん今日なんか予定とかありました?」
「ほんっとに今さらだね。大丈夫、なんもない」
「良かった」

髪を撫でてくれる手を感じ、目を伏せる。私に未だ普通の感覚が残っていたら間違いなく藤くんに惚れていただろう。
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