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サイレントエモーショナルサマー
第25章 viaggio Ⅰ
「乳首触ってるだけなのに気持ち良いんですか?」
気持ち良いに決まってる。頭がぼんやりし始めたのは湯に浸かっているからだけではないだろう。藤くんだってばっちり興奮してガチガチにしてくるせに。
私の口元に来ていた手がちゃぷんと音を立てて湯の中に戻った。あ、と思うとその手は迷わず股間へと向かっていく。
「んん…っ…」
「ここも硬くなってる。ぬるぬるしてるのはなんですかね。お湯かな」
「だめだって…ほんと…っ…」
小声で耳元に吹き込まれればぞくぞくせずにはいられない。必死に湯船の端を掴んで身じろごうにも快感をくれる手から身体は逃げたがらない。
「やだ…っ…藤くん、もっと…っ」
「もっと、なに?」
私がどうして欲しいかなんて知ってるくせに。ぎゅっと乳首を抓りあげて耳元でくすりと笑うなんて本当にずるい。
「声、ちゃんと我慢してくださいね」
「んんっ…あっ…」
「ほら、我慢して」
「んっ…」
クリトリスを押さえていじめていた指が膣口を撫でた。陰唇を引っ張ったり、優しく押さえつけたりしたかと思うとぴたりと閉じていたそこを抉じ開け、指が一本中へ入ってくる。
「……っ……んっ…」
「いいこ。もうちょっと我慢してください」
ちゅっと耳の裏に口付けて、右手は変わらず乳房を弄ぶ。擦るように乳輪を刺激して、指の腹で乳首を転がされると、声を我慢する為にぎゅっと閉じた口を開きそうになった。
中へ入ってきた指はわざとスポットを避け、ゆるゆると中を探っている。指を曲げたり、伸ばしたり。音なんか聞こえない筈なのにそこがぐちゅぐちゅと音を立てているように聞こえる。
「…ふっ…んんっ…」
だめだよ、もう無理。我慢できない。指一本でこんなに気持ち良くさせてくれるのは藤くんだけだ。
湯船の端を掴んでいた手の力が抜けそうになると、ぬぷ、ともう一本の指が挿入された。
「ん…!」
二本になった指は私の反応が面白くて仕方ないと言うように避けていたスポットを執拗に攻める。