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サイレントエモーショナルサマー
第25章 viaggio Ⅰ
私の過去の話と誘惑合戦の間にとうに日付は変わり、真夜中の2時になろうかとしている。時計を見上げた私に気付いたのか藤くんは大きな手で私の目元をそっと覆うと、そんなの見ないの、と耳元で囁く。
「藤くんも脱いでよ…」
「ダメです。脱いだら経典が力を失いそう」
「なら、脱ごう」
「怒りますよ。はい、足こっち」
膝を立てて大きく足を開いた藤くんはその彼の膝を超えるようにして私の足を開かせた。やだ、と渋ると耳の裏にちゅっと口付けて、いやじゃないくせに、と私を甘く罵る。
部屋はベッドサイドの小さなルームランプがほんのりと灯っている程度で暗さの方が勝っている。
暗い中私は素っ裸で藤くんの上に乗り、大股を開いている。足を閉じる為には藤くんの膝を越えねばならない。
尻の下、藤くんのモノはやはり硬くなっている。欲しい、欲しくて堪らない。小さくても買っておけばよかった。
「さっきまで真面目に話してたのにいつの間にこんなに濡らしたんですか」
「んっ…濡らしてない…っ…」
「じゃあ、自分で触ってみてください」
藤くんは右腕を私の腰に回して、左手で膣口を撫でた。くすくすと笑って言われ、否定すると自分で触って確かめろと言う。無言でかぶりをふると、ダメ、と甘い声。藤くんの言う、ダメ、は妙に力強く聞こえる。
おずおずと手を伸ばした。触れてみれば襞を超えて、ぬるりと液が溢れ出している。カッと顔が熱くなった。
「ほら、濡れてるでしょ」
「……っ…」
膣口に触れていた私の手に自分の手を重ねると、指を促してクリトリスを擦らせる。駆け巡る痺れに声を漏らしそうになって下唇を噛めば、藤くんが私の首筋をやわく噛む。
「いいこ。声、押さえてくださいね。引き戸、薄いんで」
「んっ…ふじく…ごめん…もういい、もう寝よう……」
「眠れないんでしょう」
「だいじょぶ…ねる…ねるから…」
もがく私を右腕で抑え込んで、彼の左手は尚も私の手に重なり、クリトリスをいじらせている。くちゅくちゅと湿った音が耳を突き刺す。自分の指でしょ、とせせら笑う声が私をぞくぞくさせた。
「小さな手。これじゃ志保さん足りないですね」
「んあっ……んんっ……」
器用に私の手を促して、彼のものに比べると細く、短い指を膣内へと入れさせる。