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サイレントエモーショナルサマー
第26章 viaggio Ⅱ
藤くんの主張を要約すると出したいことは出したいがセルフサービスは避けたいようである。その点は私と同じだ。藤くんに促されて自分のクリトリスや膣をいじるのは結構気持ち良いけれど、ひとりエッチなるものに私はあまり魅力を感じない。
私が彼の部屋に行かない日はひとりでする時もあったようだが、傍に居ればそうはしたくないらしい。確かに今は手を伸ばせば触ることの出来るところに居るし、現に彼の手は私の両手首を掴んでいる。
「ドラッグストアとか探しに行く?てか、いつもどこで買ってたの?」
「ネットですよ。言いたかないですけどあんまりサイズないんで」
「やっぱり藤くんのって大きいんだね。私は大好きだよ、大きいの」
「志保さんってあそこまで俺に話させておいてやっぱり俺のことより俺のブツの方が好きですよね」
「……へへ」
「憎い人。ああ、まじで押し倒したい」
言いながら頬にキスをして、耳の付け根に吸い付いてくる。自分だってぎりぎりのところでせめぎ合っているくせに私を煽るのはずるすぎやしないだろうか。
「……ずるいよ」
「大人しく手玉に取られてくれないからですよ」
「……藤くんがしんどいままなの嫌だ。ね、私にして欲しいことない?」
「婚姻届書いてください」
「それ以外。あ、口は?嫌?トラウマって言ってたけど…それって、その、辛い時の…」
「いや…それは大学時代の…酔ってたんですかね、あの子…がぶりとやられまして」
藤くんはやや青ざめた。どうやら相当痛かったらしい。そう言えば二度ほど彼のモノを口に含んだ時、彼は大分慌てていたような気がする。
「……それに、元々あんまり好きじゃないんですよ…なんか道具にしてるみたいで」
「…まあ、私も道具にされてるみたいで興奮してたけど」
「志保さんは道具じゃありません。だから…その、あれですけど…でも、」
「ちょっと、して欲しいと思ってるでしょ」
「俺の心読まないでください」
「大丈夫。痛くしないし、痛かったら言って。ね、」
「………志保さんももう無理って思ったら辞めていいですからね」
青ざめていた顔がほんのりと赤くなっている。ちょっと触れただけでも射精しそうな状態らしいので恐らく顎が外れるまで続けずに済むだろう。