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サイレントエモーショナルサマー
第3章 檻のなかの土曜日
結局、いつの間にか攻守は大逆転。押し倒されて、泣かされて、もっと声が聞きたい、と耳に舌を入れられた。舌を窄めて小さな穴を舐められると耳の奥がぼわぼわと戦慄いて頭がぼーっとした。
もう無理、だなんて言ってたくせに藤くんは立派な白濁液を吐き出した。まあ、量はちょっと少なかったけど。
お互い盛大にイった後、ベッドに寝転がってただ、素肌に触れてキスをして過ごした。いつの間に上半身の服を脱いだのかは記憶にない。
女の自分よりも綺麗な肌が凄く羨ましくて、男の人がキスマークをつけたがる理由がなんとなく分かった。汚したくなるのだろう。痕をつけられるのは好きじゃなかったけれど、今度誰かに迫られたら許すかもしれない。
「志保さん、煙草ありますよ」
「これ、藤くんのじゃないの?」
「……灰皿もライターも引き出しの中にありますから」
どれだけ触れあっていたのか、段々とうとうとしかけた頃に藤くんが言う。何故、彼が持っているのだろうと思っていたがどうやら私の為に用意しておいてくれたものだったらしい。遅かれ早かれ私を部屋に連れ込むつもりだったのだろうか。
「私、あなたが会社に入ってくるよりも前にあなたに会ったことある?」