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サイレントエモーショナルサマー
第28章 malinconia

「…この子は性欲にだらしなくて、場に困るとふざける癖があって、たまに苛っとしたりもするけど、私の大事な友達です。私はあなた達のどちらかならこの子をどうにかしてくれるって感じました。だから賭けます。あ、そうだ、こうしよう。土日は一日ずつ分けっこしてこの子と過ごしてください」

大正解だった。浩志の時ほどではないが、チカの考えていることも読めた。恐ろしいペースでグラスを空にしたチカは、もう一杯とチーズの盛り合わせをさり気なく頼んでから浩志と藤くんに視線を戻す。

思案顔の彼らはしばし黙り込んでいたが、浩志が煙草に火を点けて、小さく、分かった、と言うとそこからどちらが何曜を担当するかでモメ始めた。私の意志というやつは全くもって無視である。

結局、じゃんけんをして土曜は藤くん、日曜は浩志ということになった。レフェリーさながらのチカはじゃんけんの間に色々と考えこんでいたのか、結果を聞くや否や、22時までに私をチカの家に戻せば日中はキスしようがセックスしようが私が嫌がらなければ好きにしてくれと言った。

浩志は渋り顔だったが、チカの無言の圧を感じる笑顔に押されたのか最終的にその条件を呑んだ。私は当事者でありがながらぽかんと口を開けてそれを聞いていたが、ぼんやりと一度藤くんと離れてみるのもいいかもしれないと思った。

藤くんのおかげで色々向き合おうと思ったとは言え、私はそこに至るまでにかなりの時間をかけてしまった。藤くんの優しさや愛情の深さを感じながらも、まだ選択を恐れている。

それに彼が傍に居るとキスをして、セックスをしてを繰り返し快楽の中に逃げてしまう。藤くんは優しくて、私を甘やかしてくれるからそれを咎めたりはしない。

「無茶苦茶なこと言って、ごめんなさい。でも、私は志保にちゃんと恋愛して欲しいし、ちゃんと人の愛情を知って、愛情を返せる子になって欲しい。だから、協力してください」

これは私がいくら言っても聞かないから、ときつく睨まれ、ごめん、と頭を下げた。それから藤くんと浩志にも頭を下げて、よろしくお願いします、と小さく言った。
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