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サイレントエモーショナルサマー
第28章 malinconia
「もう、俺、我慢できないです」
「我慢できる男じゃなかったの?」
「そんなの、今はどうだっていい」
低く言って、彼は先に自分の服を脱ぎ捨てた。薄暗い部屋で光って見える肌。ベッドに胡坐をかいた藤くんの首筋から肩へそっと指を這わせて、胸元に口付ける。小さく音を立てて強く吸い上げると藤くんはゆっくり私の髪を梳いた。
私も服を脱ぎ捨てて彼の素肌に縋りつく。ぴたりとくっついて、溶けあうみたい。頬へのキスじゃやっぱり足りない。甘く、甘く、唇を食み合って、舌を絡めれば藤くんの指は膣口に触れる。
「あっ…」
「ほんとにキスでぐちゃぐちゃにするんだから、」
「言ったでしょ、藤くんだけだよ」
もう一度口付ける。くぷ、と膣内に指が入ってきて溢れた声は藤くんが私の唾液と共に飲み込んだ。くちゅくちゅと音を立てながら指はスポットだけを執拗に攻め立てる。
「はっ…あっ、んん、…まって、すぐイっちゃうよ…」
「…時間ないじゃないですか」
「イくなら藤くんのがいい。ね、もうちょうだい」
「…っ…」
「私も、繋がってたいの。お願い」
頬ずりをしてねだるといいところを何度か擦って指を引き抜く。私をベッドに寝かせると引き出しからゴムを取り出し、速やかに装着。ふう、と息をついて私の身体を撫でる。
「…んっ」
引き裂くような痛みが気持ち良い。ずぶずぶと時間をかけて中へ入ってくる熱が愛おしくて堪らない。奥まで押し込んで、藤くんは身体を倒して私を抱き締める。
「好きです、大好き。早く、あなたの心を全部ください」
「…藤くん…んんっ…あっ、」
ああ、そうか、藤くんはきっと気付いている。私が今までとは少し違う感情で彼を受け入れていることにちゃんと気付いてくれた。嬉しさで涙が溢れる。彼の身体に腕を回して抱き締める。じっくりと抉るように中を刺激され下腹部も嬉しいと悲鳴を上げている。
「ん、んっ…藤くん…もっと、突いて…っ…あっ、」
「仰せのままに、」
ちゅ、と頬へのキス。藤くんが身体を起こすと彼の背を私の腕が滑る。彼は私の膝裏をそっと掴むと尻が浮くほどに大きく足を開かせた。そうされると亀頭がぎゅうと奥を刺激して、淫らな声が潤いを増す。