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サイレントエモーショナルサマー
第4章 日曜日は苦みを少し

「…前にさ、会社に変な子いるって言ったの覚えてる?」
「アイドル?おはようございます好きです、のあのアイドル?」
「……うん」
「うっそ!え!あんた自分のこと好きな奴からは徹底的に逃げるスタイルじゃなかった?」
「いやー、なんていうかさ、藤くんの好きですは挨拶みたいなもんだと思ってたんだよね。で、まあ、そうやって軽口叩いてる間に幻滅させたろとかその他諸々考えてたんだけど…」
「諸々でまとめないでよ、詳しく話しなさい」

自分の2泊3日耐久レースを語る前に何故チカが真昼間から私の城でヤケ酒を喰らおうとしていたのかの方に関心があるのだが、彼女は全てを語るまで自らの口を開いてはくれないだろう。大体想像はつくので、紅茶をゆっくりと飲みつつ帰宅までの出来事を語ることにする。

「……で、朝もう一発かまして帰ってきたの?凄いね、ほんとサル」

そう、眠る前はなにもなかった。朝、目が覚めたら藤くんはもう起きていて私が目覚めるのを待っていたようだった。おはようの挨拶もそこそこに彼の手は私の身体をまさぐって、寝起きのぼんやりする頭のまま求め合った。

「藤くんって凄いんだよ。キスが上手いの、唇薄いのにね、熱いのよ。あ、温度の方ね」
「…あー、そう」
「しかもね、モノもいいんだわ。ぴったりくるって言うの?ちょっと尻込みするサイズなんだけど、でもあの綺麗な顔とのアンバランスさが一周回ってめっちゃエロい」
「あんたね…私以外にそういう話したら駄目よ。引かれるよ」

チカにここまで開けっぴろげに性的なことを話すようになったのは2年ほど前からだ。確かに私は貞操観念がおかしな方向に行っているが、一般的なモラルがどういうものであるかは把握している。彼女が間違った恋に追い詰められなければ私も自身のどうしようもなさを告白はしなかっただろう。

「それで?その藤くんと付き合うの?」
「ん?色々ごねてとりあえずセフレってとこに落ち着いたよ?」
「…やっぱりそっち行ったか」
「私さ、遅漏絶倫とか都市伝説だと思ってたの。でも、身近にいたの、しかももう一線越えちゃったの。これはキープでしょ」

彼女の言葉を借りて言えば、ハンティングは大成功だった訳だ。そんな狩りの成果を嬉々として報告する私にチカは溜息を吐いて私の頬を思いきり抓った。
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