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サイレントエモーショナルサマー
第4章 日曜日は苦みを少し
「志保、聞いて」
「…うん」
「志保が私に寄りかかってくれるのは大歓迎。でもね、色んな意味で私はあんたを支えきれない。だからあんたを支えてくれる人、ちゃんと見つけな」
「う、ん…」
「相手がいるうちに捕まえておきなさい。50、60になってからじゃ遅いんだよ」
「……世の中には熟女好きな人も居るんじゃないかな」
「怒るよ。あんた、自分が魅力的な熟女になれると思ってんの?」
ご尤もなお言葉が耳に痛い。苦笑いで躱して取り分けてくれたサラダにフォークを伸ばす。こういう葉っぱは普通にスーパーで調達できるものなのだろうか。レタスよりも色が濃くて苦みが強い。基本的に総菜売り場に直行するのは辞めて今度は野菜売り場でも覘いてみよう。
料理を平らげたあとはミックスナッツやスナック菓子をつまみながら白ワインを飲んだ。胡桃を避けてアーモンドばかり狙って食べていたら選り好みするなと怒られた。
2本目のワインを開ける頃にはチカは顔を真っ赤にして私に絡み始める。志保、志保、と名を呼んで私のことを抱き締めながら口を開く。