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サイレントエモーショナルサマー
第6章 slow-acting
「イイ格好ですね」
腕を引かれ膝の上に横向きに座らされた。片腕を背に回して支えるだけで中々触ってはくれない。私の身体をこんなに熱くしておいて顔を見上げてちょっと口を突き出しても、ん?と首を傾げてキスすらもしてくれないなんて酷すぎる。
「どうして欲しいんですか?」
「……好きにして」
「大雑把なおねだりは受け付けておりません」
「いじわる…、」
モノさえ挿入されれば満足だった私の身体はどこへ行ってしまったのだ。私は今、藤くんにキスをして欲しいし、クリトリスをいじめて欲しいし、とにかくたくさんイかせて欲しかった。
適当な相手とのおざなりなセックスで相手に対していい気になってろ、ざまーみろ、と自尊心を満たしていた私はどこにもいない。
もじもじと太腿を擦り合わせるとそれすらも許さないと言うように空いた手がぎゅっと太腿を掴む。
「ちゃんと言ってください。お口ついてるでしょ」
悔しくなってこちらからキスをしようとすると藤くんが顔を逸らした所為で私の唇は彼の細い顎にそっと触れただけだった。
「……ちゅーしたい」
「それから?」
「下も…触って…っ…、イきたいの…っ」
「指でイかせて欲しいんですか?」
「指だけじゃやだ…」
「じゃあ、なんですか?玩具はないですよ」
「分かってるくせに…!」
「志保さんの口から聞きたいんです」
とりあえずは満足してくれたらしくキスをくれる。流し込まれた唾液が飲みきれず、口の端から零れていった。太腿を掴んでいた手は命じるようにゆらゆらとショーツに触れては離れていく。