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サイレントエモーショナルサマー
第7章 erosione
「ちょ、藤く…」
買ってきた惣菜の袋を玄関にほっぽりだしてそのまま押し倒された。堅く冷たいフローリングの感触と性急に私の服を脱がせて身体中を這う舌と手の熱がちぐはぐで、身体を委ねるに委ねきれない自分がいる。
「なに…、どしたの」
「ちょっと黙ってください」
「ね、…ちょっと、ご飯食べようよ。今日は時間あるんだよ」
「いいから」
うるさいとばかりに手のひらが口を塞ぐ。今日は外で手を繋いだからさっきまでふんふんと鼻歌を歌っていたというのに藤くんは本当によく分からない。
仰向けの私の首辺りを集中的に舐めて、口を塞いでいない手が胸を掴む。彼の身体を押し戻そうとしても男性の身体はびくともしない。
金曜の夜の藤くんは一際激しい。これは先週知った。翌日が休みだからゆっくりシャワーを浴びてからちょっとずつ身体を探り合ってベッドへと移動した。その後はもういやだと泣いても中々辞めてくれず3回射精して、イった後の私を責めに責めまくったのだ。何回もするのは大好きだけれど藤くんとそれをすると規格外の長時間の挿入でイキ過ぎて苦しい。
今日も今日とて激しさは予測しながら藤くんの部屋にやってきてはいる。だが、これはどういうことだ。
「………、」
「藤くん?」
首筋から鎖骨、肩までをも唾液でべちゃべちゃになる程舐めてからやっと藤くんが顔を上げる。ぶわりと寒気が身を襲う。冷たく遠い瞳が私を見下ろす。大きな手が頬を包んだ。