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サイレントエモーショナルサマー
第7章 erosione
藤くんに対する嫌悪感が全くなかったのも大きいとは思う。それでも、私を丁寧に抱く藤くんが感情に任せて強引に押し入ってきたという事実は私の拗らせた欲求を擽った。
肩が外れそうな程に後ろに思いきり手を引かれ、力任せに腰を打ち付けられると下腹部や太腿がびくびくと震える。
玄関の狭さや膝をついたフローリングの堅さが気まぐれに私に冷静さを取り戻させては、藤くんの荒っぽい呼吸がそれをどこかへ追いやった。
「あっ…あっ…、藤くん…っ…おくっ…おくてきてる…!」
目の前を閃光が走る。仰け反ってぐったり力の抜けた身体が腕を引かれていても前に崩れ落ちそうになると藤くんは私の上半身をがしりと抱え込んで尚も腰を動かす。
「やぁ…!?だめ…っ…変になっちゃ…、」
ハァハァと呼吸を荒げるばかりでおしゃべりな藤くんがなにも言わない。名前を呼んで欲しい、キスをして欲しい、手を動かして藤くんに訴えたくても抱え込まれた上半身にはなにも許されてはいなかった。
「うっ…、」
苦しげな声が聞こえた。早急に、それでいて優しい手つきで私の身体はフローリングへと寝かされた。じゅぽっと音を立てて藤くんのモノが抜け、生温かいものが背中へとかけられる。
背中に射精されたのだと分かるまでには少し時間がかかった。
身体に上手く力が入らず冷たいフローリングに寝そべったままでいると顔を伏せて表情を隠した藤くんが、ごめんなさいと消え入りそうな声で呟いて足早に居室へと入っていく。