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イケないキミに白い林檎を
第5章 狂乱
――――…………。
朝になり、目が覚めると見慣れないベットでひとりで寝ていた。
ああ……。
ソラ先輩のところに泊まったんだった。
手足を伸ばすと一人用にしては明らかに大きいベットのサイズ。
起き上がって部屋を見ると、ここ以外にも部屋がありそうだった。
でも家族で暮らしている気配はない。
昨日は余裕がなくて気にしなかった。
まさか、私も玲亜さんと同じことしてるんじゃないだろうか……。
ハラハラしているとソラ先輩が私の元へやって来た。
「乙羽さん、おはよう」
「おはようございます……。今更ですけど、私を泊めて良かったんですか?彼女が泣いてますよ」
「え?乙羽さんを泊めて泣くような女はいないよ」
「そんなにメンタルが強い女がいるんですか」
「ん?そのままの意味なんだけど」
で、結局どっちなんだろう……。
私より先に起きていたのか寝癖一つ見当たらない。
曖昧な返答をするってことはソラ先輩はまだ寝ぼけてるのだろうか。
どっちにしろあまり長居するのも悪いから準備をして帰ることにした。