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イケないキミに白い林檎を
第5章 狂乱
「浮気して乗り換えるなんて最低だね!同期の女もむかつくー!」
「まあ……。でも私は元カレのこと、……最低とか思えなくて」
嫌いになりたいのになれない。
未練がましいけど、まだ好きだった。
「あたしだったら、どっちもぶん殴るわ!風子は彼氏を奪い返そうと思わないの?!」
「え……。なんで?」
「まだ未練あるなら素直になった方が後悔しないよ?」
「でも迷惑かなって。実際、今の彼女と並んだ方が美男美女でお似合いだし」
「そんなんだから奪われるのよー!」
「あはは……。もう次に行くしかないよね……」
「そうね。恋愛の傷なんて新しい男できたら簡単に埋まるから!ねえ、あたしと一緒にサークル入らない?」
「サークル?部活みたいなのだよね」
「サッカーサークルなんだけど、ぶっちゃけ飲みサーらしいの。適当に活動して飲み会するくらいのやつね。今、女の子の部員が欲しいんだって」
「へえー。……入ってみようかな」
「ほんとー!?じゃあ、うちからサークルの先輩に言っておくから待っててね」
気楽に入れるならなんでもいい。
そこで新しい出会いがあるかもしれない。
失恋に一番効くのは新しい恋。
次の男さえできれば、颯太のことを忘れることができるはず。