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イケないキミに白い林檎を
第6章 反覆
余興をするメンバーと集まる時間が近付き、化粧をしっかりして小綺麗な服装で家を出た。
駅に着いて改札を出ると近くの待合室でソラ先輩が一人で椅子に座っていた。
本を読んでいて私の存在に気付かない。
トントンッと肩を軽く叩いてみると少しビクッとしてから、私を見てから本を閉じる。
「乙羽さん、久しぶり。……今日も綺麗だね」
はいはいと言って、お世辞を流す。
「待ち合わせまであと三十分もあるのに、ソラ先輩は来るの早いですね」
「さっきまでデートしてたんだ。それで今は相手を待ってるところ」
「へえー。遊ぶ相手には困ってないんですね」
「そうだね。困らないかな」
皮肉を言ったのに、笑顔で返す強者ぶり。
高校の時は女の子と遊んでるところを見たことがなかった。
この様子だと大学生になってからは羽目をはずしているんだろう。
泊まった時も男であるところを見せてきたし、そうとしか思えない。