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イケないキミに白い林檎を
第6章 反覆
「おー!風子ちゃんじゃん。来るの早いね」
近付いてから走ってきた人の正体が大地くんだと分かった。
「あのー、待っているデートの相手は……」
「そう。大地だよ」
…………。
紛らわしい言い方するな。
後輩の大地くんと遊んでいただけじゃん。
心の中で笑顔のソラ先輩をこっそりと怒る。
「今日はね、ソラくんに昆虫博物館に行くの付き合ってもらったんだ。風子ちゃんも行きたかった?」
心を躍らせて話す大地くんは相当楽しかったみたいだった。
「いや、私は虫苦手だから無理かな……」
「えー!たまには高校の時みたいにいつものメンバー四人でどこかに行こうよ」
大地くんは、高校の頃と変わらない。
慣れた人以外にはすごく静かだけど、私たちには言いたい放題。
そして海田先輩も相変わらず、大地くんのように本音をぶちまける。
ソラ先輩はまとめ役。
二人よりは口数が少なくて見守っていることが多い。そして一番頼りになる存在。
私もこのメンバーは好きだった。
でも、ずっと変わらないままいれるわけがない。
いつか離れる時がくる。
男と女なら……――