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イケないキミに白い林檎を
第6章 反覆
三人で話しているうちに集合時間になり、海田先輩も合流した。
余興のメンバーが揃い、私たちは前と同じファミレスに向かった。
「――――それで決定でいっかー。結婚式に合いそうな曲だし。賛成な人、手を挙げて」
三人が控えめに手を挙げている中、一人だけ挙げていない私に視線が注がれる。
話を全然聞いていなかった。
「え?あっ、エスカルゴ歌うんだっけ?」
「どんな曲それ。風子ちゃん、話を聞いていなかったでしょ。まさか彼氏となんかあったとか?」
「…………」
恋愛話を聞くのが好きな大地くんは鋭いところをついてくる。
抉られたくない失恋の傷。
もう誰にも話したくないのに……。
目の前にある好物のパスタに手をつけられないほど胸が苦しくなってきた。