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イケないキミに白い林檎を
第6章 反覆

「ねえ、大地。いつもの食べないの?」

「あっ、エスカルゴ!食べる食べる。僕てっきり頼むの忘れてたよ」

「塑羅緒までオレのトラウマ蒸し返さないでくれ!」


「えー?海田は大好きだよね?エスカルゴ」

「このダークスカイめ!忘れんなよ。三年前、大地がさあ――――」


隣に座っていたソラ先輩が私に気遣うように話題を変える。

完璧に話が逸れて大地くんと海田先輩が私に彼氏のことを聞いてくることはなかった。


ホッとする反面、元気が思うように出なくて。

明るい話に置いてけぼりになり俯いた。


すると膝の上に置いた両手の上に、ソラ先輩が片手を重ねてくる。


大地くんと海田先輩の話は聞きながら……そっと。


大丈夫?っと心配してくれているような気がした。


どうしてだろう。


すごく、……落ち着く。


仲良しメンバーの大地くんと海田先輩には秘密の近距離。


テーブルの下だからバレることはない。

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