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イケないキミに白い林檎を
第7章 分陰
どうでもいい話を聞かせられ、愛想笑いで過ごしながら間を見てスマホの時計をチラチラと眺めていた。
ラストオーダーになった頃、運ばれてきたロシアンルーレット用のたこ焼きを指さしてサークルのリーダーが言った。
「これで大量わさび入りを食ったやつは罰ゲームね」
「罰って言うかラッキーにしようぜ。風子ちゃんとキスできるとか」
「いいねえ!引いたやつはラッキーだ」
再び盛り上がる先輩達は私の意見など聞かずにそのゲームを始めた。
わさび入りを食べたのは私の隣に座っていた先輩だった。
茶髪で清楚感のあるイケメン。
名前は加川先輩。
サークルの皆が一人一人自己紹介してくれたけどまだ全然覚えていない。
そんな中、隣に座っていたこの人だけ覚えられた。
「ほらチューして!」
「ごめんね。嫌だったらやめていいよ?」