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イケないキミに白い林檎を
第7章 分陰

そういえば颯太が言っていた。
ノリでキスすることもあると……。

ここは空気を読んだ方が今後の付き合いが良くなるはず……。


もう、こうなればヤケだ……!


「嫌じゃないです」

「マジで?ノリいいね。良かったなー」

「うるせー」

周りからキスを催促される私と加川先輩。

ゆっくりと近づいてくる顔に恥ずかしくなって目を閉じると唇が重なった。

それを見ていた他の先輩達がはやし立ててきて恥ずかしくなる。


「なんかお似合いだな。加川、おまえ付き合ったら?」


「いや、ねえから。風子ちゃんが迷惑だろ」

「風子ちゃんはどんな人がタイプなの?」

「うーん。優しくて、気が合って、一途な人ですかね」

「じゃあ付き合っちゃえ!」


冗談を言われて笑って、聞かれたことを答えるだけ。

それだけで先輩達の視線を独り占めできて私を見てくれている。


最初は不安だったけど、なんとか私もサークルの輪に入れた。


この場がすごく楽しい。

チヤホヤされるのってこんなにも快感だったんだ。


おかげで失恋の痛みも忘れられそう……。

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