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イケないキミに白い林檎を
第8章 仕置き
午後七時半が近くなった頃。
ガチャリと鍵を開けた音がしてから、リビングに入ってきた彼に声を掛ける。
「おかえりなさい……」
「ただいま。偉いね、逃げなかったんだ」
「今日逃げないで従ったのは今までのお返しです。いっぱい助けて貰いましたから」
ツンとした顔で答える私を前に、ソラ先輩は何も言わずに荷物をテーブルに置いた。
「ソラ先輩、私を試しましたよね。ネクタイをわざと緩めて行って、最初から監禁するつもりなんてなかったんじゃないですか」
「バレちゃったか。少しは反省した?」
「はい。少しは……」
「もう自分を汚しちゃだめだよ。乙羽さんは、素直でいい子なんだから」
穏やかに言うと、私の手にくすぐったいくらいに優しく触れてきて手首を見ていた。