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イケないキミに白い林檎を
第8章 仕置き
「なんですか?」
「赤くなってなくて良かった」
爽やかに微笑む表の顔を見せられてドキッとした。
こんなのずるい。
冷たいように装っておいて、最終的にはこの甘さ。
閉じ込められたことを怒ろうと思っていたのに調子が狂う。
「……っ。バッチリここにキスマークを付けてるじゃないですか」
「それもお仕置き。乙羽さんが自分でセーブしないから、代わりに理性を作ってあげたんだ」
「どんな屁理屈ですかそれ……。でも、こんなんじゃ恥ずかしくて誰にも会えません」
「俺がそばにいるからもう二度と他の男で寂しさを埋めないで欲しい」
私のそばにいてくれる……?
心の奥底がじわりと温かくなる言葉。
それを聞いて胸の鼓動がどんどん早くなってくる。
体が目的でもない。
私のことを好きでもないのに、どうしてこんなに優しくしてくれるんだろう。