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イケないキミに白い林檎を
第9章 元彼
「なっ、なるほど。……って、ピアノ弾けるんですか?なんか弾いて下さいよ」
「小さい頃に習っていただけだからそこまでじゃないけど」
謙遜しておきながら、私が聞いたことがないピアノ曲のフレーズを両手で弾いた。
鍵盤をやわらかに押す指先。
しなやかで繊細な動きに視線が奪われる。
「おお!さすが万能なソラくん。風子ちゃんだと絶望的だし、演奏役は変更だね」
「うっ、うん。もちろんそれでお願いします」
ソラ先輩の手、素敵だな……。
骨ばっていて筋がある、そして長くて綺麗な指先。
色っぽさを感じてドキドキする。
敏感な部分をその指で触れてもらいたい欲求が込み上げてくる。
中まで入ってきたら……
そんな事を考えながらぼーっとしていたら、いつの間にかソラ先輩が海田先輩と別の物を見に行って大地くんと二人っきりになった。