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イケないキミに白い林檎を
第11章 片想い

雑貨屋を出た後、ソラ先輩が行きたいところがあるようでそこへ向かった。


少し車を走らせると、遠くに青く広がる一面が見えた。
その景色を隣にしながら進み、着いた場所は大きな水族館。
すぐ近くには海がある。


大分内陸に住んでいるせいで、すべてが珍しくて新鮮だった。
ましてや海に行った記憶がないから、この目で見るのは初めてで心が躍る。

潮風の匂いや波の音が、こんなにも清々しいものだったとは知らなかった。


水族館に入り、館内を順路通りに歩いて展示されている魚をゆっくりと見て行く。

「鮪でかっ!あれでお寿司を何貫作れるんですかね」

「ペンギン可愛い~!」

「わー!イルカ!想像してたより大きいし、頭が良いんですね」


無邪気にはしゃいでいる私を見て、ソラ先輩が小さな声でたまに笑う。


「なんでそんなに笑うんですか」

プクッと頬を膨らませて聞くと、ソラ先輩が楽しそうだけど控えめな笑顔で口を開く。


「ごめん。……乙羽さんの反応が面白くてつい」


絶対、半分は馬鹿にしてる。

恥ずかしくなりつつ再びむくれるけど、こんな自分が可笑しくて段々と顔が緩んで笑えてきた。

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