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イケないキミに白い林檎を
第2章 追求
私がモヤモヤした気持ちでいるのがバレている。
しゅんとしていると、手に持っていた商品をそっと取られた。
そのままレジに行くソラ先輩の後を追う。
「あっ、……お金」
「このくらいいらないよ。その代わり、颯太によろしく言っといて」
「あっ……、ありがとうございます」
コンビニから出て、ソラ先輩から袋を受け取った。
「本当すみません」
「気にしなくていいよ」
来た道を戻るように歩く。
初夏を過ぎた頃。
道路脇に生えている木の葉はもう緑色になっていた。
私の気持ちとは裏腹に、清々しい風が優しく吹いていてそれを揺らす。
「…………」
「そんな顔してるんだったら話したら?」
「うっ……。実は颯太が他の女の子とキスをしたみたいで。嫌だなって言ったら、重いって言われちゃって……」
こんなことまで話していいんだろうか。
颯太のことは色々話せても、恋愛相談なんてしたことはない。
隣を見たらソラ先輩がいなかった。
どうしたのかな……?
こんなことを言うのはいけなかったかな……。
少し後ろを振り向くとソラ先輩は立ち止まっていた。