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イケないキミに白い林檎を
第11章 片想い

お昼が過ぎた後、また砂浜に行って海を見る。

ザザーッと力強い水音を繰り返し立てる波にぼんやりと視線を移した。

広い海と果てしない空。
仕切りがない景色を見て、自分がいかに狭い世界に閉じ込められていたか思い知る。


こんなに世界は広いのに、私はソラ先輩に縛られている。
それに彼女って、思っていたよりずっと重い鎖。

合鍵だって、こんなものをもらっても使わない……


スカートのポケットに手を入れて鍵を取り出そうとした時、何も入っていないことに気付く。


あれ……。


……ない!

水族館にいた時はポケットに入っていたのに。

他人の家の鍵を失くすなんて……!

しかも今日預かったばかりだし、うさぎのカバーまで買って付けてくれたのに。


やばい……。

大魔王に怒りの稲妻を落とされる。

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