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イケないキミに白い林檎を
第11章 片想い
歩いてきたところを辿り、貝殻をかき分け、漂流物を退かしたりして探すけど鍵は見当たらなかった。
痛ッ……!
慣れない高さのヒールのパンプスを履いてきたせいで、足にヒリヒリと痛みが走る。
多分、かかとが擦れているんだと思う。
おまえに砂の上と言うこともあって歩きにくかった。
「乙羽さん、どうしたの?」
「えっ、……あ、その……、えーっと、……ソラ先輩は海でも見てて下さい」
「ん?どうしてそうなるの」
「なんでもないです。いい貝殻ないかなーって探してただけですから、っ……」
ぎこちなく一歩進むたびにかかとが痛んだ。
「本当のことを言って欲しいんだけど」
まただ。
どうして隠しているのがバレるんだろう。
「……靴擦れして痛くて」
パンプスを脱いでかかとを見ると皮が剥がれて赤くなっていて少し血が滲んでいた。
それを見たソラ先輩は口元に手の甲を当てて眉をひそめた。
「大丈夫?……気付かなくてごめん」
「後で絆創膏を貼りますので平気です。……それよりもらった鍵をどこかに落としてしまいました。本当にごめんなさい」