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イケないキミに白い林檎を
第11章 片想い

「どの辺で落としたの?」

「多分この辺りしか歩いてないので、近くにあると思うんですけど」


「じゃあ俺が探すから、座って待っていて」

「いやいや、大丈夫です」

「ほら、連れて行くから」


私の前で腰を下ろして、おぶさるように背中を向ける。

足の痛みもあるから、ここは素直に言う事を聞く。


自分の体の重さに不安になりながら体を預けた。


背負われる時、太ももに指先が触れて敏感な体が少し反応してしまう。

しかも、胸は背中にギュッと押し当てるように触れている。

ただのおんぶなのに、性的に感じてしまう私って……。


妙に緊張する移動を終え、堤防の方で降ろされた。


「あの……、鍵をなくして怒ってないんですか」


「なんで怒る必要あるんだよ。でも、言いたいことは我慢しないで言って欲しいかな」


颯太と付き合っていた頃に悩んでいた時、同じようなことを言ってくれた。


ソラ先輩は、私としっかり向き合おうとしてくれているんだ。


素直でいられる場所か……。


一生懸命に鍵を探してくれているソラ先輩の姿をじっと見つめていた。

楽しくて綺麗な場所に連れて来てくれたのに、デートを切り上げて帰ろうと一瞬でも考えた自分が惨めに思えてくる。

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