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イケないキミに白い林檎を
第11章 片想い

彼女になってから、今日一緒にいてやっと分かった。


嫌い……、大嫌い……

最低、二重人格、大魔王……

口ではそんな酷いことを言っていた。


だけど、私はソラ先輩のことを……

本当は嫌いじゃない。


今まで困った時に助けてくれたのも、私を思ってしてくれた事。


こんなに優しくしてくれる人を嫌いだなんて思ったら罰が当たる。


だから、少しだけ好きになろう。

少しだけ前に進んで、普通に……。

合鍵を見つけて戻ってきてくれたソラ先輩に向かって微笑んだ。



残りの時間はあっという間に過ぎて、夜ご飯を食べてから自宅の前まで送ってもらった。

「今日はありがとうございました。楽しかったです」

「こちらこそ、ありがとう。明日は空いてる?」


「ごめんなさい。明日は用事があって」

「バイト?あっ、……ごめん」

何も言わない私から颯太と会うことを察したようだった。


「いえ。でも最初からそんなに頑張って会わなくても私は逃げたりしませんよ」

「うん……」

ソラ先輩はどこか寂しそうに笑った。
私の心にもズキッと痛みを感じるものが突き刺さる。

…………。

恋人が異性と二人っきりで会う。

私だったら嫌だ。
不安になるし、心配して気が気じゃない。

颯太が玲亜さんと会っていたことがどれほど嫌だったか。

浮気をすることを許可されていても、ソラ先輩に私と同じ思いをさせていいの……

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