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イケないキミに白い林檎を
第12章 甘い口付
「ッ……、うっ……」
他の男との問題なんだから彼氏に捨てられるのも当然のこと。
ソラ先輩は何も悪くない。
悪いのは私だ。
こうなるのは分かっていたけど、悲しくて胸が苦しくて涙が止まらない。
やっと嫌いじゃないって分かったのに……。
助けてもらったお礼をするどころか恩を仇で返してしまった。
傷付けてしまった罪悪感とこれから先の不安がさらに頭を痛くする。
先ほど消したスマホの画面を付けた。
もし本当に妊娠していたのなら、颯太は責任を取ってくれるのだろうか……。
玲亜さんのことが好きなのに、私を選んでくれるのか。
迷う気持ちが大きくて通話のボタンを押せずに時間だけが刻々と過ぎていく。
そのうち泣き疲れてしまい、ベッドの上で眠りに落ちた。
しばらくしてから目覚めると、顔に掛かる髪をそっと触れられてぼんやりとした意識がはっきりとする。